産婦人科・妊娠・出産

98%の人が誤解しているAMH検査(抗ミュラー管検査)の間違った認識

こんにちは!Connect.の渡邊優です!

私は今年、「女性が持つ卵子の数は、人それぞれ生まれた時に個数が決まっていて、卵子は体内で作ることができないから生理が来たら減っていく一方。今自分の卵巣の中に卵子が何個残っているのかAMH検査で調べられる。」という情報を知りました。

私は妊活をしている訳ではないですが、興味があったので今日産婦人科に行ってきたんですが、院長先生から教えていただいたところ私が認識していた検査と違い、結局他の検査を受けてみることにしました。

こういう情報は他の女性も知りたい人、知っておいた方が良い人もいるかと思うので記事にしておきます。

そもそもAMH検査(抗ミュラー管検査)って?

AMH検査(抗ミュラー管検査)とは、ネットで検索するとまずほとんどのサイトで「卵巣に残っている卵子の数を調べる検査」と出てきます。

私も何個も記事を見てみましたが、私が見た限りでは全ての記事でこの説明が書いてありました。

なぜ卵巣の中に残っている卵子の数を調べたい人がいるかというと、女性は生まれた時から持っている卵子の数が決まっていて、生まれて以降は卵子が作られることはなく、減っていく一方だからです。

いつかは閉経してしまうので自分にはあとどれくらい卵子が残っているのかを知りたい女性もいるので、それを調べられるのがAMH検査(抗ミュラー管検査)ということが書いてありました。

私はまだ妊娠の予定はないですが気になったので30代前半の今、一度調べてみようと思い検査の予約をして今日行ってきました。

院長先生からの驚きの一言

問診表に今回の来院の目的を「AMH検査を受けてみたいから」と書きました。

順番が来て診察室に入り、院長先生が対応してくれました。

先生から「なぜAMH検査を受けたいんですか?」と聞かれたので「シンプルに今自分の卵巣の中にどれくらい卵子が残っているのか知りたかったからです。」と答えたんですが、先生から返ってきた言葉は

「AMH検査では卵巣に残っている卵子の数はわかりません。」

でした。

What!?

って顔をしていたら先生がちゃんと説明してくれたのでその話をシェアします。

ですが、AMH検査の話の前に一度排卵・生理・卵子についておさらいをしておきましょう。

排卵・生理とは

脳から合図を受けた卵巣は卵胞ホルモンをつくり、子宮内膜を厚くします。その後、卵子を含む卵胞は月経周期に合わせて成長し、卵子として卵巣から放出されます。=排卵

排卵があると黄体ホルモンが分泌されてさらに子宮内膜を厚くするよう働きかけ、精子の受け入れ態勢を整えて受精卵を待ちます。ところが、卵子が受精しなかった場合は準備した子宮内膜がいらなくなりはがれ、卵子も子宮内膜も血液と共に体外に排出されます。=生理

卵子について

ここまでで「女性は生まれた時から持っている卵子の数が決まっていて、生まれて以降は卵子が作られることはなく、減っていく一方」という表現を何度か使いましたが、そもそもこの認識も違っているようで、正確に言うと「女性は生まれた時から持っている卵子の元である卵母細胞の数が決まっていて、生まれて以降は卵母細胞が作られることはなく、減っていく一方」でした。

ネット記事を見ると「卵母細胞」のことを「卵子」と書いている記事もたくさんあります。こういう部分で少しずつ解釈がズレていくのかなと思います。大学の記事ですら「卵子」と表記している記事もあったし、今日の院長先生も口頭では「卵子」と言っていましたが、「卵母細胞」という言葉を使うと説明がややこしくなるからザックリした説明をするために「卵子」と言っていたり表記する人もいるかもしれないなと思います。

女性が一生で排卵する卵子の数は400個~500個と推定され、出生時は卵子の元である卵母細胞を100~200万個持っています。毎月1回の排卵には約1000個消費され、一番タイミングのいい卵子1個が排卵されます。

たった1個です。

現代は初経開始の平均年齢が12歳くらい、閉経の平均年齢が50歳くらいと言われているそうです。

この間に排卵は起こっていますが、思春期や前閉経期は無排卵性月経(生理はあるが排卵はない状態)であることが多いので、回数から言うと女性が排卵するのは一生の内で400回くらいだそうです。

結局、AMH検査って?

AMH検査では卵巣の中に残っている卵子の数はわからないとのことでしたが、じゃあ何がわかるの?って話ですよね。

まず、女性が生まれた時に持っている卵母細胞の数には個人差があるので、排卵する時に使われる卵母細胞の数にも個人差があります。

元々たくさん卵母細胞を持って生まれた人は多く、少なく持って生まれた人は少ないです。

例えば卵母細胞の数が多い人は1回の月経周期の排卵で卵母細胞を1000個排出し、少ない人は200個排出する、みたいなイメージです。

ですが、生まれた時に持っている卵母細胞の数が多い人であろうが少ない人であろうが、閉経の平均年齢は大体同じです。

ここでは閉経を45歳と仮定すると、持っている卵母細胞の数が多い人は1回の排卵で使用する卵母細胞の数は多いけれど、結局ゼロになる時期は大体同じくらいということです。

そして、妊娠する時は精子とくっついて受精する訳ですが、排出する卵母細胞が多かろうと少なかろうと、結局排卵される卵子は1個です。

AMH検査は、「あとどれくらい卵子が残っているか」という残量を調べるものではなく、「1回の排卵でどれくらい(何個くらい)の卵母細胞を排出しているのか(使っているのか)」を調べる検査です。

これが私がググった時は書いてある記事を見つけることができず、先生も「ネットでよく見る記事の書き方では100%間違っている訳ではないにしても誤解を招くと思います」という内容のことを言っていました。

 

「残量を知りたいのに、残量を知れないなら意味がない」と思う方もいるかもしれませんが、またこれも違います。

中には、生理は来ていても使われる卵母細胞の数がほぼゼロに近い人もいるそうです。また、平均値よりも卵母細胞の数が多すぎる人もいるそうです。

ゼロに近い人は受精しにくいし、ゼロなら受精できません。

多すぎる人も何かしら体に不具合があることが考えられるのと、(ちょっとここからは表現の記憶が曖昧ですが)生理周期が長い人は、体内に古い卵母細胞が残ってしまっている可能性も考えられるので、せっかく妊活をしても新しい卵母細胞が使われることが難しくなることも考えられるそうです。

「ゼロに近い」か「多すぎる」かの両極端の場合は改善が必要になってくると思われるので、そういうことを知るための検査がAMH検査です。

病院に行った後すぐ仕事で人に会っていたのでメモをする時間がなく、記憶を頼りに書いているので先生が言っていた言葉・内容を100%書けている訳ではないこと、一部ググった部分があることご了承ください。真剣に悩んでいる方は医師に相談してください。あくまで今回の記事は「AMH検査は卵子の残量を調べる検査ではない」という点をお伝えするための記事として書いています。

ちなみに、生理不順の改善目的や望まない妊娠を防ぐ目的でピルを飲んでいる人もいるかと思いますが、ピルは受精しないようにはできるけど、卵母細胞を使うのを止めるものではないので、卵母細胞は使われて減っていきます。ピルを飲んでいても閉経までの年数が延びる訳でも、卵母細胞の残量を保存しておける訳でもないです。

AMH検査の保険適用者

月経時に使われる卵母細胞の量を調べるAMH検査の費用ですが、保険が適用されるのは体外受精をする人だけだそうです。

そうでない人は全額自己負担になります。費用は各病院によって違うので、興味のある人は行ける範囲の病院を調べてみてください。

AMH検査よりも大切なこと

院長先生は色々教えてくれたんですが、最後に「そもそも、AMH検査よりも大切なことがある」という話もしてくれました。

まず第一に子宮と卵巣の健康状態がいいかどうか。

その次に女性ホルモンの分泌が正常にされているかどうか。

その後にAMH検査をしてみるという順番が本来望ましいそうです。(お医者さんによって言うことが違うかもしれませんが、私はこの話を聞いて、いきなりAMH検査を勧めてくるお医者さんがいたとしたらそういうお医者さんより信用できそうだなと思いました。)

先生は「いきなりAMH検査みたいな特殊な検査をするって順番はおすすめしない」みたいなことを言っていました。

で、私は今回どうしたか?

最終的に私は今回AMH検査は受けませんでした。

その代わり、女性ホルモンに関する検査(血液検査)をしてみることにしました。(子宮に関する検査は1~2前に受けたので今回はパスしました。)

今日の採血の結果は来週聞きに行きます。

その内容はプライバシーのことなので記事にはしないと思います。ご了承ください。

以上で今回の記事は終わりです。参考になりましたでしょうか?

結構頑張って記憶を振り絞ったり、記憶が曖昧な部分や卵子は排卵に関する一般知識的な部分で忘れてしまっていた部分はググって書きましたが、100%正確には書けていないかなと思います。

ただ、大枠でシェアしたかったことは書けたので、一人でも参考になる女性がいると嬉しいです。

真剣に気になる方は是非ご自身で調べたり病院に聞きに行ったりしてみてください。

P.S.当初この記事はme+.メンバー限定公開記事にする予定でしたが、この内容は知りたい女性、参考になる女性が多いかもしれないテーマなので一般公開することにしました。

どの病院に行ったのか等の詳細はメンバー限定情報とさせていただきます。(FBのグループチャットに書いた病院に行きました。)

周りにAMH検査を受けようか迷っている友人・知人がいる場合はシェアしていただいても構いません。

女性にとってあまり公に人に聞きにくい部分、相談しにくい部分でもあると思いますが、少しでも参考になる方がいると嬉しいです。

-産婦人科・妊娠・出産