こんにちは!Connect.の渡邊優です。
私が「学校では教えてくれないけれど生きていく上でたいせつな教育」と思っているもののひとつが「キャリア教育」です。
「キャリア教育」とは、
「とどまることなく変化する社会の中で、希望をもって、自立的に自分の未来を切り拓いて生きていくために、変化を恐れず、変化に対応していく力と態度を育てる教育」
「職業観・勤労観を育む教育」
「生きる力を身に付け、社会の激しい変化に流されることなく、それぞれが直面するであろう様々な課題に柔軟かつたくましく対応し、社会人として自立していくことができるようにする教育」
等と言われている教育です。
私なりの定義は、「自分が長い人生の中で仕事とプライベートを合わせてどんな人生にしたいのかを自分で考える力を育てる教育。そして、その理想の人生を自分で切り拓いていける能力を育てる教育。」です。
ここでひとつ質問です。
みなさんの「キャリア教育の定義」は何ですか?
私が思考の枠を広げる方法のひとつとして口うるさく言うことに「自分なりの定義をつくる」があります。
なぜか?
思考は言語で行います。
言葉にできない思考は自分で把握できません。考えられていないも同然。思考の枠=言語の枠でもあるのです。
ほとんどの人が「なんとなく」という「感覚」で言葉の意味を捉えています。
「幸せ」「成功」のような抽象的な言葉や「キャリア教育」のような既にいくつか意味が定義されている言葉の自分なりの定義をつくることで、言語力、思考力共に鍛えることができるだけでなく、自分の価値観も明確になっていきます。
キャリア教育に話を戻します。
なぜキャリア教育が生きていく上で大切な教育だと思うのかというと、私が大学4年生になった頃、そう、就活が始まった頃に思ったことがきっかけでした。
私は高校は公立高校に行き、大学はそもそも行く気はなかったのですが、急に「英語以外にもう1ヵ国語学びたい!」と思うようになり、スペイン語を専攻できる学部に入りました。高校3年生、18歳の時に純粋に「スペイン語が学びたい!」と思って決めたことでした。
小さい頃から「〇〇になる!」という夢がある人は別ですが、多くの人が大学4年生の就活の時期になった時、いきなり「仕事」を選ばなければいけなくなります。私が就活した時は少し就職難と言われている時代でした。そんな中、いくつも面接を受ける中で、「渡邊さんはなぜスペイン語を学んでいたのにIT企業に入りたいと思ったんですか?」というような質問をされることがありました。
私はこの質問にとても違和感がありました。
10代の時に決めた「スペイン語学科に行く」という選択を就職に直結させようって考えて選んでないんですけど、って思いました。
逆に専門学校に行くと10代で決めて進学したはいいけど「本当にやりたいことはこれじゃない」と思ってその専門職とは関係のない職業に就こうとした時も同じようなことを言われそうですね。
それもあると思います。そしてもちろん、自分の人生については始めから自分で考えなければいけないのですが、当時はそんな考え方はできませんでした。また、小さい頃からこういう考え方をするには、学校教育に頼るのではなく、親の教育がとても重要になってくると思います。
日本の学校教育のスタイル、先生の授業を一方的に受けるスタイルの教育を受けてきた私たちはいきなり「人生を左右する自分の意思」を聞かれても困る人が多いと思います。その時、「後々ほとんど覚えていない教育を受けるくらいなら、こういう自分の人生に大きく関わる部分について考える授業を小さいうちから受けたかった」と思いました。それがきっかけで、「いつかキャリア教育を何らかのカタチで浸透させたい」という漠然とした想いが芽生えました。あれから8年。今この話をしています。
キャリア教育について考えている時に、面白い記事を見つけました。新卒採用のクラウドサービスを手掛けるワンキャリア取締役の北野唯我さんと、国内・海外の成長株への投資で知られる「ひふみ投信」を運用するレオス・キャピタルワークスの藤野英人さんの対談記事です。
藤野さんは投資のプロですが、「会社選び」という点で考えると就職と共通する大事なことがあると仰います。
その共通点が、「損得勘定」ではなく「好きか嫌いか」で選ぶということ。
一見、好きか嫌いかで選ぶことの方が簡単そうに思えます。ですが、どちらかというと私たちは「いい会社に入れるように勉強しなさい。そうしないと食べていけないよ。」とか、「将来楽をするために、いい会社に入りなさい。そのために、いい大学に入りなさい。」という損得勘定で育てられてきたのではないでしょうか?
もっと幼い頃の話でも、「食べ物の好き嫌いをしてはいけません」「誰とでも仲良くしなさい」「嫌いな教科も頑張って勉強しなさい」と、好き嫌いをなくして標準化することが日本の教育方針となっています。
そうやって好き嫌いの感覚を磨けない教育を受け続けた結果、「自分の自由意思だけでは選べない」という体質が完成してしまうのです。
私たちには損得勘定なしに感情に基づいて選ぶ訓練が不足しているので、小さい頃からそこを鍛える必要があります。
そして早くから「好きか嫌いか」で選べるようになると、おのずと将来自分で選ぶ仕事は好きなことになってくるでしょう。
この他にも、日本では「一度始めたことをすぐやめることは良くないこと」という擦り込みがあります。一方、アメリカや中国では、「入社してみたけど合わない、好きじゃない」となればすぐ転職するのが当たり前です。この感覚の違いも社会全体で変えていかないと、好きか嫌いかで選べるようにはならないでしょう。
そんな面白い話が書いてある記事でした。
全文はこちらから。
お子様がいらっしゃる方、今転職を考えている方、「理想の働き方」「自分に合う仕事」について考えている方は特に読んでいただきたいと思います。